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地歌箏曲を愉しむ

琴と三味線の魅力をご紹介します。

見台

 

その道具が手に入らなくなる日

 

 楽譜をのせる台の傾斜が高過ぎず低すぎず、なんとも絶妙な角度。これが折畳み式なので、畳むとペッタンコになり嵩張らず、しかも軽く運びに便利。お稽古や合奏練習の場で何度も使用していて使い勝手の良さを知っていたので、自分用に一つ欲しいと以前から思っていた。だが楽器屋さんに訊いたところ、現在この型の見台は製造されていないとのこと。ならば作ってしまえ!という訳で、お茶関係の知り合いの建具屋さんに現物を持ち込み注文した。

 

▼楽譜をのせる「見台」f:id:gakei:20160821024601j:plain

 

▼「見台」を畳んで収納した状態f:id:gakei:20160821024521j:plain


 ―待つこと一年、いや二年。忘れた頃に建具屋さんから完成したとの連絡が入り、急いでお宅に伺う。「まあまあ」と言われるがままに自然光が仄かに差す茶室に通され、まずは一服。なんて数寄人だ!と思っている間に、出来上がった見台が差し出された。さすが職人技で、それは欲していた見台そのもの(二つ頼んでおいて良かった…)。関心と同時に、後継がおらず相次いで製造を止めてしまう職人やメーカーが多い昨今、一度無くなった道具を再び手にするのは容易ではないと感じた。

 

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