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地歌箏曲を愉しむ

琴と三味線の魅力をご紹介します。

落語と三味線

「約束できねぇとき?そんときゃ、もろとも心中だよ。」

画像:アニメ『昭和元禄落語心中』にて主人公が出囃子(でばやし)を弾く場面

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f:id:gakei:20160131235219p:plain(C)雲田はるこ講談社昭和元禄落語心中製作委員会

「時は昭和、東京下町。昭和最後の大名人へ弟子入りを志願する、出所したての青年与太郎。早逝の天才落語家・助六と、その影を追う大名人・八雲、彼らを巡る因縁とは―。」

 私は普段アニメを見ないが、ごくたまに嵌まる作品がある。『昭和元禄落語心中』がそれだ。
 多くの古典芸能に三味線が使用されているように、本作の題材の落語には、三味線音楽「出囃子(でばやし)」が欠かせない。出囃子とは、噺家が高座に上がるときにかかる音楽で、舞台袖から登場し着席するまでの数十秒間ほどの小曲ではあるが、細棹三味線が奏でる小気味よい盛り上がりがある。本来、婦人が演奏するものであるようだが、掲載した画像は、手を痛めた女性に代わって主人公が弾く場面である。また、作中には出囃子の他にも、向島の料亭でのお座敷での弾き歌いなど、三味線を弾く場面が何度か登場する。
 物語は劇的な展開があるわけではなく、むしろ地歌のように内省的に、長唄のようにテンポよく進んでいく。私は三味線の弾き手としての視線で観ているが、主題の落語が素人目にも聴かせるものであるし、アニメ・落語愛好家はもちろん、三味線、着物、昭和レトロといった切り口でも楽しめる大人なアニメだ。男なら、着流しが似合う主人公・八雲の和服の着こなしや仕草も参考になるのではないだろうか。さて、なにと心中するか…。

昭和元禄落語心中』漫画原作:雲田はるこ講談社、2016年1月よりTBS系列でテレビアニメ放送

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